せがわまさき 『バジリスク-甲賀忍法帳1』 ISBN:4063461971

唐沢俊一がベタほめしていたのでかってみたのだった。たしかによい。でも原作の方がよかったと思うのは、唐沢も指摘しているけれども、それぞれの術の説明が省略されてしまっているところで、あの、山田風太郎の無理そうに思える説明でも、やっぱりあった方がそれなりに納得して読んでいたと言うことがよくわかる。それと、絵にしてしまったことで、その絵が、これはありえないだろーっと、ささやく。単に想像力が貧困なだけだったんじゃあないか、というのかもしれないが、さておき、山田風太郎の説明でありえたと思ってよんでいたというのも問題があると思うけれども、でも説得力、という意味では、ないながらも、やっぱりあったのだ。ということがわかった。それは別段どの絵を見せられてもやっぱり絵を見せられた地点で、なくなる現実味というのが、術の荒唐無稽さ故にあると思う。そこのぶぶん。でもおもしろい。
んがっ、どーでもよいと思って読んでいるふしがあって、原作でもそうだったけども伊賀と甲賀の区別が付かなくなる。はっはっはっはっは。